速読スクール内で起こる出来事や、講師のプライベートなど、
適当に思いつくまま綴っています・・・気まぐれ三昧です、はい。。。
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あまりにも書評欄で絶賛されていて、
タイトルに魅かれて読んだ一冊。
スティーブン・ミルハウザー 著 柴田 元幸 訳 白水社刊
淡々とした狂気。
異次元という現実にはまり込んだ人々の物語。
何かハッキリとした大きな事件が起こって…
という展開ではないからこそ、
疑問?という余韻が残る作品ばかりです。
実は、以前オリジナルで読んだことがあります。
英語の感想は、
無機質でモノクローム。
話の筋とは本来関係がなさそうな
風景の緻密な描写に満ちています。
具体的な感情表現はほとんどありません。
けれど、それこそが
うすら寒いような、何とも表現しがたい世界を醸し出しています。
それゆえすっきりとした読破感がなく、
名訳者、柴田氏の翻訳で読み直したのですが。
やっぱり印象が違いました。
日本語にすると、
ものすごく彩られた表現になっています。
(私が英語を理解出来てなかっただけ?)
表題作の 『ナイフ投げ師』 や
『新自動人形劇場』。
自分の芸を究め過ぎて、
その行き着いた先に幸福を見い出した人々。
しっくりと来ない居心地の悪さ。
マニア(というよりもはや信者?)は
その毒に冒されて、読み続けるしかないのです。
ミルハウザー氏こそ、
自らが創りだした世界の住人です。
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